今回はマインドフルネスと瞑想というテーマで話しを進めていきたいと思います。
今回は瞑想をなるべくわかりやすく紐解いていきたいと思います。
瞑想は難しそう、怪しい、スピリチュアルな感じ、辛そうなど
いろいろとイメージがあるかと思います。
しかし、実はとても理にかなった方法です。
そして、何千年も昔から人類が脈々と培ってきたものです。
現代まで残っているものには残っているだけの普遍性、効果、理由があります。
不必要なものであればなくなっているはずです。
目次
なぜ瞑想するのか?
最近はまた瞑想ブームと言われていて、
書店に行けば瞑想・坐禅の本がたくさん出版されています。
なぜ、今また瞑想ブームなのでしょうか?
私が思うには今はインターネットの時代が到来して
コミュニケーションスピードが極限まで高まっています。
すべて経済優先で早い方がいいという現代社会が作ってきた
理想の形は限界部分が出てきているのでしょう。
そのアンチテーゼとして、自分自身の本来の生き方・人生の進め方を
瞑想することによって答えを求める人が全世界的に増えているのが現状かと思います。
思考する世界から離れ、生きている今の一瞬にある感覚に立ち返る。
そして、いま生きている自分自身を取り戻すことが
瞑想の大切な要素であると思います。
マインドフルネス瞑想はそれを実現するための方法になりうるでしょう。
ところで、私たち人間は数千年も生き延びることはできません。
すべての人には等しく生があり等しく死があります。
仏教では一寸先は闇といいます。
次の瞬間はすでに死んでいるかもしれない。
逆説的いえば死を覚悟して今を精一杯生ききるという事です。
私のクラスの参加者が「マインドフルネスは死ぬことを感じることですよね。」
と質問を投げかけられました。
マインドフルネスは今の瞬間を生ききることです。
逆も又然りです。
その参加者の方は瞑想の本質、マインドフルネスの本質をつかんでいたのでしょう。
瞑想の種類と基本的理論
次は瞑想の種類についてお話しを進めていきたいと思います。
瞑想の種類は大きく分けると二種類しかありません。
サマタ瞑想(止瞑想)とヴィパサナー瞑想(観瞑想)と言われる瞑想法です。
始めのサマタ瞑想はある一つの対象物に集中するという方法です。
英語ではFocused attentionといい注意を一点に向け続けるという瞑想法です。
二つ目のヴィパサナー瞑想は集中を広げていく、全体に注意を払うという方法です。
私のイメージでは集中の拡散とでも言ったらいいでしょうか?
全体に広がっているイメージです。
英語ではOpen monitoringといい感覚を開き観察するという表現をされます。
種類の基本はこの二種類しか瞑想法はありません。
マインドフルネス瞑想はヴィパサナー瞑想の瞑想に近いといわれています。
しかし、マインドフルネス瞑想を進める上でも
サマタ瞑想の一点に集中するというトレーニングは不可欠になります。
一点に集中できないのに観察することはできないからです。
虫眼鏡で葉っぱの観察をするのにも集中力が必要なことと同じです。
そしてその観察を広げるならなおさら集中力は必要になります。
瞑想において、集中と観察は切っても切れない関係性が存在します。
始めは一点に集中するサマタ瞑想で集中力を保つトレーニングから始めると良いでしょう。
googleやゴールドマン・サックスなどの一流企業が続々導入し、アメリカでは一般市民レベルで大きな飛躍を見せている「マインドフルネス」。
一過性のブームではなく、現代人老若男女問わず必要とされるものとして認知されています。
科学的にもその効果が証明されており、ますます今後広がっていくと考えられます。
BASIピラティスはマインドフルムーブメントにフォーカスしたクラスを行うピラティス専門スタジオです。
BASIピラティス HP:basipilates.jp
坐禅の基本方法
坐禅の基本は調身・調息・調心です。
始めの調身はしっかりと姿勢を正すという事です。
実はこの調身という事が一番大切な要素であると私は考えています。
しっかりとした坐る姿勢が手に入ると調息・調心といったことは意外と早く訪れます。
良く姿勢を正して坐るという内容が坐禅の本などに書いてありますが、
良い坐り方は簡単には手に入りません。
良い姿勢を自然に作る訓練が大切ですので坐禅・瞑想を始める方は
じっくりと取り組むとよいでしょう。
調身の次には調息です。
調息は息をコントロールするのではなく観察していきます。
呼吸をじっと観察することを続けるとだんだんと深く長く細く、
繊細な呼吸に変化していきます。
その細く長く丁寧な呼吸になっている状態が調息の状態です。
最後に調心の話です。
自分の心を湖に例えると常に私たちの湖はいろいろな
日常の事柄、仕事・勉強・家庭などの状況によりストレスや苛立、喜びなど
いろいろな感情が湖の中や湖面を揺らし続け湖はよどみ湖面は揺れています。
気持ちが定まらない状態が多くの場面であります。
瞑想ではその湖の揺れをまず鎮めます。
さらに観察すると湖のよどみも取れていき静かな状態が訪れます。
とても静かで落ち着いた心持が自然と現れてきます。
その状態が調心の状態です。
まとめとして、調身・調息・調心のこの三つは互いに相関関係成り立っています。
姿勢が乱れれば呼吸が乱れ、呼吸が乱れれば心が乱れるように
常に密接な関係性を保っています。
日常生活に瞑想を取り入れる
瞑想は一番おすすめの時間は朝です。
ヨーガやピラティスでもそうですが朝が一番推奨されています。
朝顔を洗って眠気をとり、水分を少しとってもよいと思います。
眠気を覚ましたら、身体をヨーガやピラティスなどで軽くほぐし、瞑想すると良いでしょう。
始めは十分くらいから、徐々に長くできるようにするとよいでしょう。
朝が難しい方は夜に行ってもよいと思います。
朝も夜も難しい方は電車の移動時間、カフェの中など、
日常の中の隙間の時間で少し自分の呼吸や身体感覚に立ち返る時間を設けると良いでしょう。
そして、毎日少しずつ続けることが何より大切になります。
うまくいかないから、よくわからないから、止めてしまうのではなく、
一日一日少しずつマインドフルネス瞑想を日常に取り入れてみましょう。
瞑想の種を蒔いたのなら自分自身でマインドフルネスを育ててみましょう!
<ライター>
長谷川 洋介
医療法人和楽会 ヨーガ講師。東京マインドフルネスセンターにて指導。
法政大学卒業。2006年ヨーガを始める。
「マインドフルネスは今を大切に生ききることです。そして、マインドフルネスは生活の中で実践していくことがとても重要です。センターではヨーガやメディテーション等を通じ今に意識を向け、いろいろな気づきを得る練習をします。マインドフルネスを皆さんと一緒に実践し心と体を調えていきましょう。」
(社)ヨーガ療法学会 ヨーガ講師養成講座修了
東洋鍼灸専門学校卒業
鍼灸師(国家資格)
あんまマッサージ指圧師(国家資格)
ジョン・カバットジン博士「MBSRワークショップ」修了
介護予防運動指導員