今回のテーマはマインドフルネスと感情の世話
という事で話を進めていきたいと思います。
私たちは日常の中で常に感情が働いています。
今回はマインドフルネスでは感情をどう扱うかについて話を進めたいと思います。
目次
人間は感情の生き物
私たちは一日生活をしていると、時に笑い、苛立ち、怒り、思索したり、
常に気持ちは揺れ動いています。
東洋医学の世界ではそれらの感情を七つの情として区分けしています。
怒る・喜ぶ・思う・悲しむ(慈しむ)・憂う・恐れる・驚く。
また、東洋的にはこれらの感情は常に働き相互に作用しあっているととらえます。
そして、怒りすぎや、喜びすぎ、悲しみすぎといった
過度の感情の揺れは病の元であるとも伝えています。
実際に感情が過度に働きすぎるとそのショックのために
生き物は死んでしまうという事もわかっています。
心身相関という事です。
そのため、私たちにとって感情のバランスをとるという事はとても大切な事になります。
そして、すべての感情はバランスをとるためにも必要なものでもあります。
感情がかけているというのはバランスを欠きます。
東洋医学では7つに区分していますが、実際のところ、我々の感情というものはより複雑であり、
7つに分けるだけではないと思います。
感情にも虹のような色のようなグラデーションがあります。
限りなく怒れば限りなく赤に近くなるような、怒りも収まればその赤は
少しずつ薄くなるような感じが感情の世界で起こる事でしょう。
怒りが赤だとしても実際のわれわれの感情は他の色も混ざっているという事が本当のように感じます。
私たちはそのような言葉では絶対に表現できない常に揺らぐ感情をしっかり見つめると良いと思います。
すぐに感情に飲み込まれるのではなく、まず感情に気づきを向けるという事が大切なことでしょう。
感情で判断をしない
以前、ティック・ナット・ハン師の教えで怒りにすぐに反応をしないという話を書きました。
それは、怒りの感情に飲み込まれるのではなく、怒っている自分に気づき、
自分の呼吸を観察し落ち着きを取り戻すということでした。
つまり、自分が怒っている時に自分の身体感覚に注意を向け観察をするという事をします。
要するに、自分の身体をスキャンし客観視するという事でもあります。
それができると、怒りに飲み込まれることなく冷静に物事を判断できるスペースが生まれます。
そのスペース、余裕といってもいいと思いますが、が次の自分の行動の幅を持たせてくれるようになります。
ですから、感情により早く気づき感情で瞬間湯沸かし器のように対応せず、
マインドフルネスに気づきを向ける余裕を作るとよいでしょう。
感情のバランスをとる
始めに述べましたが、感情のバランスをとり全体の調和をとっていくという事が
感情の世話をしていく上で大切なことになります。
先ほどの怒る話ですが、本当に怒りたい時は怒る必要が私はあると思っています。
感情がないように抑圧するようにするのは良いとは思いません。
私たちは笑いたい時は笑い、思索したい時は真剣に思索し、
泣きたい時は泣いた方がいいと思います。
誤解しない方がいいのが、マインドフルネスは無理やり感情を無くすような、
押し込めるようなものではないと思います。
また、抑圧して無理に押し込め自分の内側に欝々と感情をため込むこととも違います。
マインドフルネスでは立ち上がってきた感情に対して早くに気づきを向け
呼吸や身体感覚を観察し自分自身に余裕を持たせるという事が大切です。
マインドフルネスに感情を世話する
マインドフルネスに感情の世話をすることはすでに述べてしまいましたが、
よく感情に気づき、観察し、スペースを広げるという事が大切なことになります。
次に、自分の内側から湧き出てくる自然な感情を
バランスよく扱っていくというものも大切なことになります。
自分の普段の生活の中で自分の感情に注意をしっかり向けて観察をしてみてください。
さまざまな場面で普段とは違った対応ができるようになるきっかけになるでしょう。
googleやゴールドマン・サックスなどの一流企業が続々導入し、アメリカでは一般市民レベルで大きな飛躍を見せている「マインドフルネス」。
一過性のブームではなく、現代人老若男女問わず必要とされるものとして認知されています。
科学的にもその効果が証明されており、ますます今後広がっていくと考えられます。
BASIピラティスはマインドフルムーブメントにフォーカスしたクラスを行うピラティス専門スタジオです。
BASIピラティス HP:basipilates.jp
<ライター>
長谷川 洋介
医療法人和楽会 ヨーガ講師。東京マインドフルネスセンターにて指導。
法政大学卒業。2006年ヨーガを始める。
「マインドフルネスは今を大切に生ききることです。そして、マインドフルネスは生活の中で実践していくことがとても重要です。センターではヨーガやメディテーション等を通じ今に意識を向け、いろいろな気づきを得る練習をします。マインドフルネスを皆さんと一緒に実践し心と体を調えていきましょう。」
(社)ヨーガ療法学会 ヨーガ講師養成講座修了
東洋鍼灸専門学校卒業
鍼灸師(国家資格)
あんまマッサージ指圧師(国家資格)
ジョン・カバットジン博士「MBSRワークショップ」修了
介護予防運動指導員